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評論・エッセイ

散歩して迷子になる 13 百円から無料へ、そして二千円へ戻る

 二〇〇八年の後半に主として神保町で買ったペイパーバックが、この文章を書いているデスクの周囲に、いまもまだ積み上げてある。文章を書くために必要だからだ。今年になってからも買っているから、そのたびに、二十冊、三十冊と増えていく。この連載の前回では、デスクを取り巻くペイパーバックは三百冊ほどだと書いたが、いまでは四百冊にはなっている。その四百冊を、僕はふたとおりに分けてみた。小説や戯曲など、創作されたものがひとつ。そしてもうひとつは、事実について記述したり評論したもの、つまりノン・フィクションだ。
 ポケット・ブックスという叢…

『図書』二〇〇九年四月号

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