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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

片岡義男のアメリカノロジー 娯楽映画の雑誌広告に宣伝の原点を見る。

 普通の映画館でごく一般的に公開される映画、つまり内容がシリアスだろうが馬鹿げていようが、上出来だろうが不出来だろうが、とにかく一般大衆を観客に想定して一般公開される娯楽映画というものは、じつに不思議な商品だ。
 企画立案されたときから、一般の娯楽映画は商品なのだが、いざ出来あがってみると、いくつもの金属製の缶におさまったフィルムがあるだけだ。映画館のスクリーンという二次元に、光と影として上映されてはじめて、商品としての最終的なかたちを持つ。しかしそのときには、客席にすわってスクリーンと向きあっている観客たちは、その映画を…

『POPEYE』一九八四年五月二十五日号

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