二十三貫五百八十匁の死
1968年、小説家デビュー以前に三条美穂名義で「ミステリマガジン」誌に寄稿された、夫婦愛についての短編小説です。陽気でふくよかなヒロインの京子は、片岡作品には珍しいタイプの女性ですが、その内面にある強さと愛情の深さは、のちの作品に確かに通じています。ユーモラスな中に、ほんの少し見え隠れする哀しさと深い愛情の表現に注目してください。ちなみに、二十三貫五百八十匁は約88.5Kgです。
初出:『ミステリマガジン』一九六八年十月号(筆名「三条美穂」で掲載)
『片岡義男クラシックス「給料日」』ビームス 二〇一四年八月所収
底本:『ミステリマガジン』創刊60周年記念号 二〇一六年七月
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