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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

サウンドスケープを歩く 2

 二十代なかばからごく最近まで、原稿を書くための専用の机として、松本民芸家具によるライティング・ビューローを、僕は使って来た。分厚くて堅い木材を堅牢に組み上げた、頼りがいのある、じつに快適な、使いやすいビューローだ。書く面の分厚い板は、使わないときは蝶番の部分で上に向けて折りたたむことが出来る。その書く面のサイズは、横幅が六十七センチ、そして奥行きが三十二センチだ。原稿用紙と万年筆しか置かないという、ライティング専用の机として、このサイズは僕の気持ちをなんの無理もなく原稿に集中させてくれた。これまでに書いた文章の、おそらく九十パーセン…

『Coyote』No.17 二〇〇七年五月号

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