VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

サウンドスケープを歩く 1

 ボーズのアコースティックウェーブミュージックシステムⅡというオーディオ装置の、自分にとってもっとも好ましい使いかたを、僕は見つけ出した。ソファにかなり楽な姿勢ですわった僕から、一メートルあるかないかの至近距離のところに、高さ五十五センチほどの小さな台を置き、その上にシステムを載せる。装置の正面、まんなかにあるBOSEのロゴが、僕の臍とみぞおちとの、ちょうど中間あたりと向き合う。音楽を聴くだけではなく、音波を物理的な刺激として受けとめる快感をも、楽しむことが出来る。この装置から出る音の広がりの、いちばんいいところをこうしてつかまえる、…

『Coyote』No.16 二〇〇七年四月号

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