VOYAGER

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小説

カラニアナオーレ

 目覚めに向けて浅くなっていく睡眠のなかで、僕は父親の足音を聴いた。アメリカの軍人が履く黒い革の靴の底が、板張りのフロアに接して作る足音だ。その靴のよく磨かれた黒い様子を、夢のなかに僕は見た。ポーチのドアが開く音、そしてそのドアが閉じる音に続いて、ポーチの階段を降りていく父親の足音を、僕は聴いた。そして目が覚めた。
 僕はベッドに起き上がった。寝ていたければ寝ていろ、起こさないぞ。朝は久しぶりにジョージのところだ。昨夜、父親が寝る前に言ったことを、僕は思い出した。ジョージのところとは、マーモ・アンド・ケアワエの角にある軽食…

『Coyote』No.4 二〇〇五年三月号

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