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評論・エッセイ

読む、映画『バレット』 すべては登場人物たちの台詞に託されている

 英語の原題は「頭に銃弾」という意味だ。この映画に則して解釈すると、眉間ないしはそれと同格の致命的な部分を一発の銃弾で射抜く、というような意味となる。こうしなければ生きてはいけなかったし、こうすることによって生きて来た主人公の男の、信条ないしは方針のようなものだ。
 主人公はプロフェッショナルな殺し屋だ。そのような生きかたが人生となって当然のような日々を、彼は送って来た。シルヴェスター・スタローンがその男を演じている。ごく若い頃の初犯で警察に写真を撮られたときから、年齢を追って警察写真が画面にあらわれる。当然のこととして、…

『キネマ旬報』二〇一三年六月下旬号

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