自分にとって面白い日本語とは
子供の頃の僕は自分にとって面白い日本語を項目別にノートブックに書いていた。このことについてはこの連載のどこかで、ごく部分的に書いた。
たとえば「さ」の項目なら、「さー」「ささ」「さーっ」「さっ」「ざあ」「さあっ」「ざあっ」「さらさら」などから始まって、「ざあざあ」「さめざめ」「ざぶざぶ」「さむざむ」「さてさて」「さばさば」「さくさく」「さっくさく」「さんざん」「さくりさくり」「さえざえ」「さいたさいた」「さまざま」「さいどさいど」「ざわざわ」「さわさわ」「さんさん」「さびさび」といった言葉を、鉛筆による大きな字で、ノー…
初出:『サンデー毎日』二〇二〇年十一月二十二日号(「コトバのおかしみ・コトバのかなしみ」74「頭のなかで平和に共存している」)
底本:『言葉の人生』左右社 二〇二一年
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