プロフェッショナルなハスラーたちが仕事をしていけるようなプールホールでの、スペクテーターたちや常連のプレーヤーたちをも含めたひとつの「場」とは、いかなる性質をおびたものなのだろうか。たとえば、進行していくゲームをそばからながめ、そのうちのゲームのいくつかに自分たちスペクテーターどうしでおかねを賭けたりする人は、自分が常連となっている店では、おたがいに緊密なコミュニケーションを保っているのだろうか。あそこのあのゲームは、いっぽうがハスラーだからね、などとスペクテーターどうし、耳うちしあったりするものなのだろうか。ぼくがアメリカのいくつ…

底本：『10セントの意識革命』晶文社　二〇一五年改版（一九七三年初版）