ポケット・ビリヤードはボウリングなんかよりずっと面白い
プール・テーブル(玉突き台)が置いてある部屋は、奥にあった。手前のほうの部屋には、ピンボール・マシーンやソフト・ドリンクのカウンターがあり、ジューク・ボックスが鳴っていて、そのときかかっていた曲は、ロレッタ・リンがうたう『酔って家へかえってこないでちょうだい』という歌だった。オクラホマ州のほぼまんなか、ショーニーのなんと言えばいいのだろう、街はずれとでも言えばいいのだろうか。街と呼ぶにはもうあまりにもなんにもない、荒涼たるアスファルト道路からすこしひっこんだところに、駐車場のスペースを前にしてぽつんと建物があり、「ソフト・ドリンク、…
底本:『10セントの意識革命』晶文社 二〇一五年改版(一九七三年初版)
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