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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

道路と荒野の袋小路

“TWO-LANE BLACKTOP”という不思議な映画に関して、書きうるだけのことを書こうと思う。CIC配給で日本で公開されるときの題名は『断絶』というのだそうだ。原題は、アスファルト舗装の二車線の道路、つまりアメリカでは、田舎道とかわき道、といった意味だ。このような原題が『断絶』にかわるところに、この映画の不思議さが象徴されているみたいだ。不思議というよりも不可解、いや、さらにすすめて奇怪と形容してもさしつかえのない映画だからだ。
「はじめて、読むにあたいする映画ができた」と、この映画を評したアメリカの雑誌『エスクワイ…

底本:『10セントの意識革命』晶文社 二〇一五年改版(一九七三年初版)

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