VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

アメリカに生きる彼女たち 一九九〇年代 現在は過去とは比較にならないほど刺激に満ちている

 八〇年代は、七〇年代という十年間をくぐり抜けた、六〇年代の結果だ。七〇年代という十年間をへているから、それは社会に定着したものとして見ていい。やがては消えるはずの、そのときだけの流行ではない。六〇年代のアメリカに、いったいなにが起こったのか。大変なことが起こった。もっとも基本的なところでは、宗教的な力が弱くなった。その後にあたえる影響の大きさから言うと、これがもっとも大変なことだった。宗教的な力は、しばしば抑制として理解される。抑制はポジティヴでもネガティヴでもあり得るが、その両方にまたがる抑制力が、それまでにくらべると、格段に低く…

底本:『アメリカに生きる彼女たち──一九四九〜一九九五 雑誌広告に見るアメリカ女性像』(第6章)研究社出版 一九九五年

このエントリーをはてなブックマークに追加