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評論・エッセイ

アメリカに生きる彼女たち 一九八〇年代 そこにはまさにボディがある

1 個人主義と彼女たちの体

 女性が登場している広告を、一九八〇年代のアメリカの雑誌のなかから、僕は何百点となく集めた。それらを観察しながら、最終的にここにある八十点を、僕は選び出した。そのプロセスのなかで僕が得た、そして選び出した八十点を観察しなおして僕が手にしたもっとも強い印象は、登場している女性たちの、ボディリーというかフィジカルと呼ぶか、とにかく圧倒的に身体的、肉体的な、表現のされかただ。
 生きて存在していれば、そこには身体がある。その人は、まずなによりも先に、身体的な存在だろう。どんな…

底本:『アメリカに生きる彼女たち──一九四九〜一九九五 雑誌広告に見るアメリカ女性像』(第5章)研究社出版 一九九五年

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