ヘルプ・ミー! 英語をどうしよう コーヒーを飲みたいのにコートを脱がされた!
【珍問答の発端】
ニューヨークでコーヒーもう一杯
ニューヨークへ生まれてはじめて出張した日本のビジネスマンの失敗談から読んでいただこうかと思う。
そのビジネスマンの名は、竹田健介。三十五歳。東京の一流私大を卒業し、不況のさなか、難関を突破して、世間ではいまだに一流大企業だと思われている巨大商社の営業部門に就職。
いわゆるエリート・コースに乗っていたわりに海外へ出るのはおそく、三十五歳ではじめてニューヨークへ。
外国は、はじめてではなかった。…
底本:『ヘルプ・ミー! 英語をどうしよう』KKベストセラーズ 一九七六年
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