動詞はどこへ行くのか
単行本『日本語と英語ーその違いを楽しむ』所収の一編。例えば、案内図に書かれている「現在位置」という言葉の不自然さに片岡義男は日本語という言語の特性を見る。現在という時性と位置という場所が繋がって、何らかの意味を示し、しかもそこには「誰が」も無いし、動詞も無い。なのに日本人は容易に意味を掴むことができる。そのことに疑いを持つことから、言語というものと文化や生活の関係を考える試みだ。
底本:『日本語と英語──その違いを楽しむ』NHK出版新書 二〇一二年
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