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小説

501 W28 L34

空に夕陽、脚にジーンズ

1年ほど付き合った男女の仲でも、共有されていないものはいくらでもあるだろう。
それが結婚だった場合、単なる考えの相違に留まらず、2人の未来の時間にはいささか暗雲が立ちこめる。
そんな時だった、目の前にあるこの本当の空があまりに美しいピンク色に染まっているのを見たのは。
それは男にとってどうでもいい空だったから彼女にとって男は決定的にどうでもよくなった。
彼女には夕陽がある。そしてよくなじむジーンズがある。

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