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小説

翔びなさい、と星が言う

見る前に翔べ、と悪い星がささやく。

ティーン向けのレーベルであるコバルト文庫に収録された一編。
冒頭、朝の新宿駅のシーンに象徴されるように
17歳の女子高生2人は、朝のラッシュ・アワーで怒涛のように流れてくる人波に逆行し、そこから外れて生きる存在として描かれている。
通常のヘテロセクシュアルからの逸脱。死への傾斜。
生まれてくるべき星は、ここではなかったのかもしれない。
だから、「翔びなさい」と別の星が言う。
しかし彼女は、この星の現実の中でしか、飛ぶことはできないのだ。

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