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片岡義男.com 全著作電子化計画

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中編小説『淋しさは川のよう』を公開

中編小説『淋しさは川のよう』は、雑誌『野性時代』(角川書店)において1989年5月号から12月号まで8回にわたって連載された作品です。雑誌連載後の書籍化はされておらず、今回の電子版が初の書籍化となります。

主人公の仁科尚美は東京でサラリーマン生活を送る32歳。2年前に離婚して今は独身だ。3月のある日、出張先の町で一人の女性に声を掛けられる。記憶にない顔であったが「高校で一緒だった、中村江利子です」と言われたその瞬間に、15年前の記憶が甦った。仁科はその後、出張のたびに江利子と会うようになり、それぞれの15年間の出来事などを話していく。江利子も同じ気持ちだったが、その後もお互いの距離は保ったままだった。7月、2人は自分たちが通った高校を見にいく計画を立て、そこで同級生の中津川弓矢、矢谷美穂子と会う。地元でスーパーマーケットを営む中津川は、仁科と同じ野球部の2軍でバッテリーを組んだ仲だ。グラウンドで久しぶりに復活したコンビに対し江利子はバッターボックスに立ち、仁科の投球を快音とともに見事に打ち返す。10月下旬、江利子に呼び出されて京都で会った二人は、お互いの今の状態と、これからの関係を確認しあう。彼らが選んだ、次の新たなステップとは……。再会から始まるラブ・ストーリー。

“自分たちふたりにしか作り出すことの出来ないような展開を、自分たちは待たなくてはいけない。これからどんなことになるのか、見当もつかないけれど、充分に時間をかけ、自分たちふたりが共同して正面から受けとめることの出来る状況を、ふたりのために作り出していかなければならない”

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2023年5月2日 00:00 | 電子化計画

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