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連作短編小説集『くわえ煙草とカレーライス』から『大根おろしについて思う』を公開

連作短編小説集『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社/2018年)所収の『大根おろしについて思う』を本日公開しました。

主人公の日野修平は48歳になったばかりの作家。20年前に淡い関係だったバーのホステスで、それ以前は編集者だった立花真理子の現在が気になっている。彼と同じ年齢の彼女は今どこでどうしているのか。ある日、思い立って当時ライター仲間だった新谷時雄が住んでおり、真理子の叔父が営んでいた喫茶店があった市川の街を訪れる。改装はされているものの、今も営業を続けているその喫茶店で彼の応対をした若い女性は……。20年という歳月が何を変えて、何が残ったのかを一人の作家の回想と共に描く物語。
「良きカレーライスというものは、ひとりの男が持つ過去というものを、少なくとも帳消しにする能力は持っている。肯定された過去と、まあなんとか大丈夫だろう、という前方への見通しの中間に、いまここ、という現在がある。カレーライスは、俺の理屈では、現在そのものなんだよ」

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2023年3月10日 00:00 | 電子化計画

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