本日公開の作品をご紹介します。

【新作】東京を撮る66『一歳の誕生日』

八巻美恵さんによる四枚の写真の三枚目は、アンソニー・ホロヴィッツの「メインテーマは殺人」の表紙です。ホロヴィッツは、「モリアーティ」などのホームズのパスティーシュで日本の読者にも注目され、「カササギ殺人事件」はその年の翻訳ミステリの傑作として、様々なランキングで1位を獲得します。そして、ホロヴィッツ自身がワトソン役を務める「メインテーマは殺人」、シリーズ2作目の「その裁きは死」とハイレベルの作品を連発中です。きちんとしたフェアな本格ミステリながら、マキューアンの「贖罪」を下敷きにしたり、作中作を巧妙に使うなど、文学的な技巧にも長けている感じは、どことなく片岡義男を思わせるところがあり、そう思ってホロヴィッツを読んでいたところに、この写真の登場は、我が意を得たりという感じでした。

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