『本の雑誌』2021年4月号に津野海太郎さんの特集
『本の雑誌』2021年4月号に、伝説の雑誌「ワンダーランド」の創刊メンバーでもあり、晶文社の名編集者としても名を馳せた、津野海太郎さんの特集が組まれています。片岡義男はこの特集に寄稿をしており、その中で津野さんと初めて会った時のことを書いています。以下、この特集に寄せて「片岡義男 全著作電子化計画」プロデューサー・萩野正昭から片岡義男.comの読者の皆さんへのメッセージです。
『本の雑誌』2021年4月号(3月9日店頭)の特集が津野海太郎さんになっている。題して〝津野海太郎の眼力〟。片岡義男さんも一筆書いているのでどうぞお楽しみに!
津野海太郎さんとボイジャーとの関係は何とも浅からぬものがある。1997年スタートした季刊誌『本とコンピュータ』を編集長として取り仕切ったのは津野さんで、私(萩野正昭)は彼の強い後押しで編集委員として参加した。あの時代、本とコンピュータとの関係や未来を論議する場をつくったのは津野さん、及びスポンサーの大日本印刷の慧眼のいたりだったと思う。今になれば何でも分かる。その後2010年に国書刊行会から『電子本をバカにするなかれ』という本が津野海太郎さんによって書かれている。常に一貫して電子本をバカにせず、身をつぎ込む人たちに優しい視線を送ってくれた。こんな人、世の中にいるのかとさえ思った。今ある電子の出版、それもWebへシフトする姿、ボイジャーと片岡義男さんとの繋がり、その影に津野海太郎はいたのだとみなさんへお伝えしたいです。『アデン・アラビア』から『植草甚一スクラップ・ブック』まで。ポール・ニザンに痺れる若者はいずこへ行ってしまったのか。どうぞ『本の雑誌』をお手にとりください。
■関連リンク
【津野海太郎さんの本】
・【無料版】小さなメディアの必要
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2021年3月9日 16:00 | 片岡ニュース
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