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『アール・グレイから始まる日』目次

『アール・グレイから始まる日』目次

2026年10月16日 00:00

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『アール・グレイから始まる日』は1991年5月に角川文庫から刊行されました。

紅茶はアール・グレイ。ポットに湯を注いで、一日が始まる。新聞から天気図を切り抜き、今日までのに加え、紅茶を飲みながら観察する。東へ去る高気圧。それを追う低気圧。前線の影響、雨模様。しかし今日はいまのところ晴れている。沿岸の海風が、低めの気温のなかで、魅力的なはずだ。海風に触れてこよう。すぐに出かけよう。今日はそのための一日。二杯めをカップに注ぎ、自分の一日が本当に始まる。
(文庫カバー袖文より)

「一杯の紅茶をおいしくいれるのは、思いのほか難しい。あるいは、一杯の紅茶をおいしく人に飲んでもらうのは、たいへんに難しい。適切にして微妙な加減の重なり合いが、一杯のおいしい紅茶を作る。飲むときの状況や、飲む人の状態なども、複雑に関係してくるからなお難しい。植草甚一さんの自宅に頻繁にうかがっていた時期がかつてあり、その頃のある日、午後、ひとりでうかがった僕に、奥さまが紅茶をいれてくださった。空間のなかば以上が本によって占められている書斎で、植草さんの話をうかがいながら、僕はその紅茶を飲んだ。特別なものでもなんでもない、ごくあたりまえの紅茶だったが、じつにおいしかった。あのようなおいしさは、滅多に体験出来るものではないと僕は思う」(「おいしかった二杯の紅茶」より)

Part 1 アール・グレイから始まる日

海岸にて、というタイトルでなにか書いてください

昼寝についての本を書くために

知らぬ町 雨の一日 冬至なり

おいしかった二杯の紅茶

僕が一度だけ見たUFO

ただいまスフィンクスの上空を通過中です

ドーナツの穴が残っている皿

理想の窓辺にすわるとき

もうひとつの椅子

僕たちのはじめての海

散歩して鮫に会う

道路への関心と小説

本を一冊も買わなかった日

僕がもっとも好いている海岸

タクシーで聴いた歌

ひと口だけ飲む世界中の酒

地球を照らす太陽光の純粋な原形

Part 2 男だって子供を生まない

物語を買いまくる時代

見られることから始まる

人にあらざる人

男だって子供を生まない

複眼とはなにか

オン・ザ・ロードとは

「理解」などするからいけない

カタカナだけの昼食

僕はわき見をしていたい

課題人生論

東京で電車に乗ると、なにが見えますか

いかに生きたら、もっともかっこういいか

とてもいい友人どうし

民主主義は買えなかった

手軽で安い人たち

Part 3 風に吹かれて謎になる

ストーリーは銀行に預金してある

ひとりでアイディアをつつきまわす午後

彼女たちに名前をつけるとき

課題作文『思い出のメルヘンの一冊』

アメリカと父親小説 ※1

風に吹かれて謎になる

拳銃魔と再会する日

父親と万年筆

青春映画スターとの再会

鉛筆を削る楽しさ

彼女から届く絵葉書

西陽の当たる家

僕はいまでも万年筆を買う

午後の紅茶の時間とは

人は誰もが物語のなかを生きる

恋愛小説のむこう側

Part 4 アビーロードのB面

僕はきみが欲しい

陽が射してきた

なぜなら

いつも代金を払わない男

サン・キング

ミスタ・マスタード

パムとはパミラのことか

彼女は浴室の窓から入って来た

ゴールデン・スランバーズ

その重荷を背負う

The End

女王陛下

※1 「アメリカと父親小説」は、「猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説」と改題され、「片岡義男エッセイ・コレクション『自分を語るアメリカ』」(1995)に収録。