『アール・グレイから始まる日』目次
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『アール・グレイから始まる日』は1991年5月に角川文庫から刊行されました。
紅茶はアール・グレイ。ポットに湯を注いで、一日が始まる。新聞から天気図を切り抜き、今日までのに加え、紅茶を飲みながら観察する。東へ去る高気圧。それを追う低気圧。前線の影響、雨模様。しかし今日はいまのところ晴れている。沿岸の海風が、低めの気温のなかで、魅力的なはずだ。海風に触れてこよう。すぐに出かけよう。今日はそのための一日。二杯めをカップに注ぎ、自分の一日が本当に始まる。
(文庫カバー袖文より)
「一杯の紅茶をおいしくいれるのは、思いのほか難しい。あるいは、一杯の紅茶をおいしく人に飲んでもらうのは、たいへんに難しい。適切にして微妙な加減の重なり合いが、一杯のおいしい紅茶を作る。飲むときの状況や、飲む人の状態なども、複雑に関係してくるからなお難しい。植草甚一さんの自宅に頻繁にうかがっていた時期がかつてあり、その頃のある日、午後、ひとりでうかがった僕に、奥さまが紅茶をいれてくださった。空間のなかば以上が本によって占められている書斎で、植草さんの話をうかがいながら、僕はその紅茶を飲んだ。特別なものでもなんでもない、ごくあたりまえの紅茶だったが、じつにおいしかった。あのようなおいしさは、滅多に体験出来るものではないと僕は思う」(「おいしかった二杯の紅茶」より)
Part 1 アール・グレイから始まる日
Part 2 男だって子供を生まない
Part 3 風に吹かれて謎になる
アメリカと父親小説 ※1
Part 4 アビーロードのB面
※1 「アメリカと父親小説」は、「猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説」と改題され、「片岡義男エッセイ・コレクション『自分を語るアメリカ』」(1995)に収録。
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