VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

いかに生きたら、もっともかっこういいか

 いまこれから、ひょっとしたら貴兄にも読んでいただけるかもしれないこの短い文章のために、男性はどのように生きたらかっこういいだろうか、というテーマを僕はもらってしまった。たいへんに書きにくいテーマだし、僕にとっては不得意なテーマでもあるのだが、とにかく、僕にもとっさに書き得ることを、とりあえず書いてみようと思う。
 男性はいかに生きたら、もっともかっこういいか。かっこう良さのなかから、外見にかかわるすべてを、いまは除外して考えていきたいと、まず僕は思う。外見、つまり、二枚目ぶり、生活様式のきらびやかさ、身につけるものの高…

底本:『アール・グレイから始まる日』角川文庫 1991年

このエントリーをはてなブックマークに追加