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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

カーメン・キャヴァレロ

 一九七四年のたしか春だったと思う、僕はFM局で二時間のラジオ番組のホストのような役を、仕事の一部分として始めた。週に一度のこの番組、『気まぐれ飛行船』は、それから十三年間、続いた。その十三年間の前半にひとり、そして後半にひとり、女性の相手役が僕を助けてくれた。当時のFM東京がキー局で、その頃すでに存在していた各地のFM局のすべてから、放送された。『野性時代』という雑誌の創刊に合わせて始まった番組だったが、その雑誌の執筆者のひとりであったこの僕にとっての宣伝番組の役を果たした事実は、当人にも否定することは出来ない。
 基…

底本:『音楽を聴く2──映画。グレン・ミラー。そして神保町の頃』(第三部 この都電はジン・ボ・チョへ行きますか) 東京書籍 2001年

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