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評論・エッセイ

大統領が引き受けたこと

この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」
に収録されたものです。
 一九九五年二月の教書演説でクリントン大統領は、中間層を広げ貧困層を小さくしていくことを、国内における最大の課題として力説した。すでに成功している中間層を守っていくには、分厚く広い底辺を構成している貧困層を狭めることによって、中間層をあらたに広げていくほかない、と大統領は言った。貧困層とは、夫と妻がともにいる家庭がその層にあると仮定して、彼らに子供がふたりいて年収が一万四千ドル以下の層を、正式な用語として貧困層と呼ん…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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