VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

フロント・グリルと僕の関係

 一九六十年代のなかばから後半にかけての時代の、シヴォレーやフォードなどごく庶民的な乗用車のフロント・グリルがいくつか、ここにある。ひとつずつ観察してやがて頭のなかにまとまる感想は、かつてこういう時代があった、ということだ。

 普通の乗用車のフロント・グリルの造形として、こういうデザインは悪くないと僕は思う。僕としてはたいそう好きだ。いちばん好きだ、と言っていい。
 何本かの横の線に対して、効果的に交差する垂直の線。そしてそれらぜんたいをひとつずつまとめる、両端のヘッド・ライト。よくまとまっ…

このエントリーをはてなブックマークに追加