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評論・エッセイ

袋小路の居心地

二〇〇三年十二月八日(*日付については、「まえがき」参照)

 十一月二十七日、陸自の調査団の一部がイラクでの調査を終えて、日本へ帰って来た。残りの人たちは引き続きクエートにとどまり、イラクの情勢を観察するという。自衛隊の派遣予定地とされているイラク南部のサマワは、治安が比較的良好であり自衛隊による活動は可能だ、という内容で首相に報告書が出されることになるようだ、と新聞は書いていた。自衛隊の派遣を後押しするための調査そして報告書である、という意味だろう。調査期間中にサマワ近辺でこれと言ってなにごともなければ…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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