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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

アメリカはここからがもっとも面白い

 かつてのアメリカがいかに途方もなく桁はずれに豊かであったかを体感するひとつの有効な方法は、たとえば一九四〇年代、そして一九五〇年代のアメリカの、一般的な家庭雑誌に掲載されていた広告を観察することだ。
 第二次大戦に勝った生産力、革新された技術力、未来を信じきって前方にむけて進んでいくアメリカ人としての気持ちの統一感など、とにかく国というものが持ち得る力のすべてが、五〇年代後半から六〇年代にかけて、あらゆる領域で頂点に達していく様子が、古雑誌のなかの広告を見ていくと手に取るようにわかる。
 豊かさが頂点をき…

底本:『ノートブックに誘惑された』角川文庫 1992年

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