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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『霧笛が俺を呼んでいる』

この作品は、赤木圭一郎を観客に見せるための映画なのだから、彼は可能なかぎり多くの場面にいたほうがいいという方針のもとに、物語は進展していく。作劇上の制約から生まれてくる奇妙さは、その原理さえ理解すれば、かなりのところまで楽しめる。冒頭と最後に、赤木の歌う「霧笛が俺を呼んでいる」という主題歌が流れる。やや憂いのある可愛らしいメロディだ。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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