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評論・エッセイ

『一九六〇年、青年と拳銃』 まえがき

『吉永小百合の映画』という本を書いたとき、日活での彼女のデビュー作として、『拳銃無頼帖 電光石火の男』を僕は観た。この作品を観るのはこのときが最初だった。一九六〇年の四日市の喫茶店で働くウェイトレスの役を演じた吉永小百合の、日活におけるデビュー作での最初の台詞は、赤木圭一郎が演じた青年に向けての、「いらっしゃいませ」のひと言だった。そしてこの作品で僕は赤木圭一郎をも初めて観た。
『電光石火の男』は『拳銃無頼帖』シリーズの第二作であり、第三作の『不敵に笑う男』にも吉永小百合は出演していたから、続いて僕はそれも観た。一九六〇年…

初出:『一九六〇年、青年と拳銃』毎日新聞社 二〇〇八年
底本:『一九六〇年、青年と拳銃』毎日新聞社 二〇〇八年

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