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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

明るさを基調とする風とおしの良い社会は、個人の尊厳を土台にしている

 この広告は、ウォーナー・ランバート社が一九八七年に『セルフ』という雑誌に掲載した広告だ。見開き二ページで広告してあるのは、EPT (early pregnancy test)のテスト棒だ。
 このような製品は日進月歩だから、いまではもっと新式のものに替わっていて、これと同じものはもう店頭には出ていないかもしれない。もしいまでもまだあるなら、店で誰でも買うことが出来る。テスト棒は一本ずつパッケージされている。
 自分が妊娠したかどうか、ごく初期に、自分で正確にテストすることの出来るテスト棒だ。棒の先端がピンクに…

底本:『シヴォレーで新聞配達──雑誌広告で読むアメリカ』研究社出版 一九九一年

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