ステーション・ワゴン
ピカピカのステーション・ワゴンは、宇宙からやってきて、やがて海に還っていく。
福音館書店発行の雑誌『子どもの館』(1980年)に発表された短編。
自動車をテーマにした片岡義男ならではの一編だが
ここでは12歳の少年が主人公であり、
少年がスクールバスという、少年にとって戦場のような社会の中から
光り輝くステーション・ワゴンを目撃する視点がおもしろい。
やがて彼は、大胆にもそのステーション・ワゴンのハンドルを握るのだが
およそ現実離れしたその乗り物は、
意外な、いや、もしかすると必然的にそうなるしかない、
というような…
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