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評論・エッセイ

リロイ・ニーマンを受けとめる

 一九六〇年のなかばから後半にかけて、アメリカ版の『プレイボーイ』誌で、ぼくはリロイ・ニーマンの絵をいつも楽しんでいた。海外旅行の自由化がおこなわれたのが、一九六〇年代の前半であり、当時のアメリカ版の『プレイボーイ』は、ごく限られた人たちのあいだでしか流通していなかった。そしてその限られた人たちは、ニーマンの絵には目をとめることなく、もっとほかの興味のために、その雑誌のページをくっていた。
 ニーマンの絵が掲載されている『プレイボーイ』は、毎号、楽しみだった。スポーツのおこなわれている現場と、その現場にいあわせている人たち…

底本:『きみを愛するトースト』角川文庫 一九八九年

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