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評論・エッセイ

保守という自由主義者たち

二〇〇四年二月十二日(*日付については、「まえがき」参照)

 ドナルド・ラムズフェルド国防長官をTVニュースの画面で見るたびに、僕は懐かしさを覚える。戦後の数年間、日本にいたアメリカの軍人あるいは民間人たちのあいだに、彼のような人がたくさんいた。顔や姿かたち、立ち居振る舞い、そして喋りかたにいたるまで、ラムズフェルドそっくりだった人も、僕の記憶のなかにある。何年か前にラムズフェルドをTVで見て、同一人かと思ってびっくりしたほどだ。戦後すぐのアメリカはまだリベラルな人たちの国だった。だからいまでも僕が思い出すラ…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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