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評論・エッセイ

作家のすべて教えます どこにもいない人をめぐる物語

独身のOLが、会社の帰りに自宅の最寄り駅で電車を降りてから行方不明になった。この出来事があってから二十五年は経過している。当時の僕は小説を書いてはいなかったが、小説を書くことになる人としての質のようなものは、どこかに持っていたにちがいなく、その質においてこのOL失踪事件を記憶し、いまも記憶している。

『月刊オーパス』一九九四年十月号

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