漢字と仮名の使いわけかた
『本とコンピューター』という雑誌の一九九九年春の号に、「漢字とかな どう使いわけるか?」という特集があり、二十九人の人たちが、自分のルールや感想をそれぞれに短く語っている。僕もそのなかのひとりだ。僕は次のようなことを言っている。
文章にとってもっとも大切なのは、前へ進んでいく力です。読む人にとっては、読むはじから誤解の余地なく明快に理解でき、理解すればするほど前方に向けて進んでいくことの出来る状態を作り出さなくてはいけません。
このことの妨げになるあらゆることに関して、書き手は細かく気を配るべ…
底本:『坊やはこうして作家になる』水魚書房 二〇〇〇年
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