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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

今日と明日のお天気

 日本がアメリカと戦争をしていた頃。太平洋の南の島々が悲惨な戦場となっている。日本軍は負けつつある。多数の日本兵が戦死していく。彼らの遺品が戦場に残る。多くの日本兵が退却していく。彼らの遺留品も残る。
 遺品や遺留品のなかに、日本兵たちの日記がある。大量にある。全員が日記をつけていたのではないか、と思うほどの量だ。日本兵たちの日記を集め、戦争のために日本語の科学的トレーニングを受けたアメリカ人の専任担当者が、何冊もの日記を読んでいく。読み進むうちに、日本兵たちの日記には、共通する大きな特徴があることに、そのアメリカ人はやが…

底本:『坊やはこうして作家になる』水魚書房 二〇〇〇年

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