ハワイ島の強力なアリイだったカラニオプウが、一七八二年に没してしまった。没するまえに、カラニオプウは、当時すでに三十歳くらいだった甥のカメハメハに、戦いの神である「クカイリモク」を、ゆずり渡した。
カラニオプウなきあと、ハワイ島には、強力なアリイが四名、のこった。キワラオ、ケオウア、ケアウエマウヒリ、そして、カメハメハの四名だ。この四名がハワイ島の王者の地位と実力をめざして争うことになった。
途中でキワラオが戦死して強力なアリイは三人になったりしたが、四年たった一七八六年になってもまだ、ハワイ島の王者が誰…
『ミステリマガジン』一九七六年一月号