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評論・エッセイ

アーバン・カウボーイとすれ違った男 誘われる女

ななめうしろから、名前を呼ばれたような気が、ふと、した。まわりには人がたくさんいた。ふりかえってみたのだが、知っている人の顔がみつかったりはしなかった。顔を正面にむけなおし、たくさんの人のなかをぬうように歩いていくと、すぐうしろから呼ばれた。こんどは、はっきりと聞えた。ぼくは、ふりかえった。

『GORO』一九八二年五月十三日号

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