東京を記憶する
東京を歩けばどこにでもあるような光景、と多くの人が言うに違いない光景を写真に撮った。確かにどこにでもある光景だが、けっして素のままではない。写真に撮ると、ただそれだけのことで、素のままではないなにか別のものになる。自分で写真に撮った、という種類の加工が決定的に加わる。この事実を忘れてはいけない。
底本:『東京を記憶する』中公文庫 二〇〇一年
東京を歩けばどこにでもあるような光景、と多くの人が言うに違いない光景を写真に撮った。確かにどこにでもある光景だが、けっして素のままではない。写真に撮ると、ただそれだけのことで、素のままではないなにか別のものになる。自分で写真に撮った、という種類の加工が決定的に加わる。この事実を忘れてはいけない。
底本:『東京を記憶する』中公文庫 二〇〇一年