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評論・エッセイ

ナポリへの道はまだ続く

昭和二十五年と言えば、太平洋戦争における日本のあの大敗戦から、まだ五年しかたっていない。そしてその日本は連合軍の占領下にあったが、敗戦を乗り越えた日本社会は明らかに次の時代へと入りつつあった。日本の庶民社会は、五百種類もの家庭料理の作りかたが主婦雑誌の付録につくまでに、その生活は向上していた。

初出・底本:『ピーナツ・バターで始める朝』東京書籍 二〇〇九年

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