手帳が溜息をつく
モールスキンの手帳が、文具店で見かけるたびに何冊かずつ買ってきた結果として、七十六冊になった。使いたい、という強い思いに後押しされて買ったのだが、使ったことはこれまでに一度もない。なぜですか、と訊かれたなら、書くことがないからです、としか答えようがない。
初出:『総合教育技術』二〇〇八年三月
底本:『ピーナツ・バターで始める朝』東京書籍 二〇〇九年
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モールスキンの手帳が、文具店で見かけるたびに何冊かずつ買ってきた結果として、七十六冊になった。使いたい、という強い思いに後押しされて買ったのだが、使ったことはこれまでに一度もない。なぜですか、と訊かれたなら、書くことがないからです、としか答えようがない。
初出:『総合教育技術』二〇〇八年三月
底本:『ピーナツ・バターで始める朝』東京書籍 二〇〇九年
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