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評論・エッセイ

今年の夏の、僕のテーマ

ある冬の日、僕は絵葉書を買った。夏の海、あるいは湖が描かれている。水には四畳半ほどの広さの、厚みのさほどない木製の頑丈な箱が浮いており、その上に飛び込み台があり、さらにはふたりの人物がいる。ここに作り出されている情景ぜんたいに、僕は強い共感を覚えた。この夏はぜひこのような光景を捜そうと、僕は思った。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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