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評論・エッセイ

孤独と不安と絶望の空

エドゥヴァルド・ムンクの絵の展覧会を、僕は東京で見た。ほとんどおなじポーズの、同一人物と言っていい女性が、いくつもの絵のなかに登場している様子は、それぞれ独立したいくつかの作品をつなぐ、目には見えないけれども確かに存在する、かつてムンクがそのなかにいた時間と空間のトンネルなのだ、と僕は思った。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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