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評論・エッセイ

空はもっとも信頼できる基準だった

もの心ついてから現在にいたるまで、空は、僕にとってひとつの絶対的に信頼出来る基準だった。ありとあらゆるものを空と対比させ、価値判断を下すことが出来た。空に自分を写してそれを見ると、自分がなにものであるかもののみごとに理解できた。自分がなにほどのものなのか、空はいつも明確に、僕に教えてくれた。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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