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評論・エッセイ

記憶を撮る 9 木造が今日も消えていく

木造の記憶とは、いったいなになのか。庶民の生活という、取り散らかり始めたら際限のない雑多な現実を、なんとかひとつに結びつけ、それに意味をあたえていたのが、生活領域のなかに拠点として点在していた、さまざまな木造の建造物だった。現物が消えたあとには、記憶としての写真が、かろうじて残ることもある。

底本:『日本カメラ』二〇〇六年九月号

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