VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

いつも靴をはいている足の悲劇

靴をはいて都会で生活している限りは、そこに自分の体を任せきっている。あらゆる部分が、無理やりに、そして知らず知らずのうちに変形させられてしまっている。どこか海の近くでサーフィンを中心にした生活を送り始めれば、靴なんか、はかなくなる。やがて、裸足の足は、自由に空間のなかへ身をのばしていきはじめる。

底本:『サーフシティ・ロマンス』晶文社 一九七八年(「サーフシティからの航空便」2)
初出:『宝島』一九七六年三月号(地球と遊ぼう2 実感的サーフィン入門「ねえバランスをとろうよ」)

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