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評論・エッセイ

不幸な女性キャリーをどんな目に遭わせてもかまわない、というところから出発する著者と読者たち

スティーヴン・キングの長編小説『キャリー』の主人公、キャリエッタ・ホワイトは、テレキネシスという特殊能力の持ち主だ。キャリーは持って生まれたこの能力ゆえに、どんなひどい目に遭ってもかまわないのであり、この小説の読者にとっての中心的な興味は、物語の終わりに彼女がどんな最期をむかえるかということだ。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 一九九五年
『水平線のファイル・ボックス 読書編』光文社 一九九一年所収

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