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評論・エッセイ

私が心を置いてきた、あのケーブル・カーの町

サンフランシスコのケーブル・カーは、乗るのも見るのも楽しい。急な坂を登っていくところ、あるいは降りていくところを真横から見ると、路面と車体は斜めになっているのに、車体のなかやオープン・デッキに立っている人はその斜めの坂にさからって、垂直に立っている。この光景は、何度見ても、ほんのりと不思議で面白い。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『自分を語るアメリカ』太田出版 一九九五年
『本についての、僕の本』新潮社 一九八八年所収

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