VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

彼女が買ってきてくれたヨーグルトに、黄色い小さな花が差してあった日

ぼくが高校の二年のときだったかなあ。おなかがすいていた。学校のなかにパン屋さんがあり、そこでカレーパンとコーヒー牛乳ないしはヨーグルトを買って食べようと、ぼくは思った。「あら、パン屋さん、もう、やっていないわよ」と、クラスメイトの女の子が言った。

底本:『町からはじめて、旅へ』晶文社 二〇一五年改版(一九七六年初版)
初出:『高1コース』一九七五年七月号

このエントリーをはてなブックマークに追加